叩く・蹴る先生は今も希少ですが今もいます
1970年代～1980年代にかけて、ピアノ教室が最盛期を迎えていた時代、そこに住む子供全員がピアノを習っているマンションやアパートがあったくらいにピアノを習う子供は今と比べ物にならないくらい多かった時代があります。
また、その時代は「ハラスメント」などという言葉はなく、学校教育の現場で先生が生徒を殴るのはよく見る光景で、ピアノ教室でも弾けなければ叩く蹴るといった怖いピアノの先生もいて、だからといってそういった先生が批判されることもない時代でした。
しかし、時代とともに子供の数も減少しピアノの生徒も激減したことにより「先生に逆らってはいけない」という時代から「生徒を大切にしなければいけない」に変化し、学校でも先生が生徒に手を挙げるなど言語道断。もちろん、ピアノ教室の世界でも生徒に対して叩くどころか、手を触れるのですら気を使うという時代に変わりました。
そんな時代ですから、もう叩いたり蹴ったりする怖い先生はいないだろう、と思うかもしれませんが、今でも希少存在ながら叩く蹴るピアノの先生はいます。しかし、叩いたり蹴ったりしても批判されることなくレッスンを続けていられるのは何故か？ちょっと疑問に思えると思います。
密室という環境が子供を洗脳してしまう
一番の原因は教室が「密室」であるがために生徒を「洗脳」しやすいというところにあります。
生徒がある程度大きくなると親は送り迎えだけで、教室の中まで入ってこないというケースも多くなります。
そうなると先生と生徒だけの密室になるわけですから、誰かに見られることもない。そういった環境で指導に熱くなリ過ぎて、ついつい手が出てしまう。しかし、手が出るとは言っても激しくではなく、手を軽く叩く、椅子を軽く蹴る程度ですが、これがレッスンを重ねるにつれて頻繁になってくるとレッスンハラスメント（教室内での生徒への虐め）になってしまいます。
ただ、子供は親にこの事を言いつけるケースは非常に少なく、なぜなら、「叩かれる理由は演奏できない自分が悪い」と思わせるよう先生は上手く生徒を洗脳するからです。例えば、小さい頃から習っている先生であればあるほど、先生の存在というのは大きく信頼できる存在です。そんな存在から「貴方が悪い」「だから叩かれている」と密室で刷り込まされれば、子供は素直に「自分が悪い」と洗脳され、「自分が悪いのだから親に言う訳にはいかない」という流れが生まれます。
また、先生も悪気があってやっているわけではなく、自分自身も子供時代に叩かれたり蹴られたりしてレッスンを受けてきた先生もいます。つまり、先生もレッスンは叩かれるものと洗脳されてますから、その気がなくてもつい手が出てしまうという負の連鎖が起きて不思議ではありません。
悪気がない、その気もない、だけど叩いている。だから、もし子供が親に「先生に叩かれた」と言って親が先生に追求しても先生は「やっていません」を悪気もなく言います。自覚症状がないからです。
今の時代99％のピアノの先生は怖くない
叩いたり蹴ったりする先生は希少です。今の時代、ほとんどいません。だからといってピアノの世界だからそういう先生はいないと考えるのは別問題で、どんな世界でも今だに叩いたり蹴ったりする人はいます。学校の先生。会社の先輩や上司。パワハラという言葉があるように、育った家庭環境や教育係となった先生や上司などによって「叩くことは教育だ」と刷り込まされている人はどこにでもいます。
ただし今の時代。、テレビやネットでも、ハラスメントは問題となり実名報道までされる時代ですので、自分で自分を律して怖い先生を封印している人も多いと思います。
しかしながら残念なことに、どんなに世の中の風潮が変わっても自分を変えられずにいる人というのは少なからずいます。
もし、子供がピアノ教室から帰ってきて元気がない日が続いたら、傍に寄り添って悩みを聞いてあげてください。最後に子供を守れるのは親しかいません。自分の子供が負の連鎖に巻き込まれることだけは避けてあげてください。
ピアノの先生は1人だけではありません。運悪く怖い先生に当たってしまったからといって、みんなが怖い先生ではありません。99％は負の連鎖を持たない先生です。
