「ピアノを習わせようか迷ってるんだけど、実際どうなんだろう?」
子どもの習い事を検討している保護者の方なら、一度は考えたことがあるんじゃないでしょうか。月謝もかかるし、送り迎えも大変。それに、うちの子が続けられるかどうかも心配…。
でも、私が元音楽教室のスタッフとして、そして2児の母として断言できるのは、ピアノを習うことで得られる効果は、「ピアノが弾けるようになる」だけじゃないということなんです。
実際に教室で何百人もの生徒さんを見てきた中で、ピアノを続けている子どもたちには、学校生活や日常生活で役立つ「目に見えない力」が確実に育っていました。今回は、そんな意外な7つの効果について、データと実体験を交えてお伝えしていきますね。
- ピアノで身につくのは「ピアノが弾ける力」だけじゃない
- 1. 集中力が飛躍的に向上する ピアノ練習は最高の「集中力トレーニング」
- 2. 数学が得意になる子が多い 東大生の約半数がピアノ経験者という事実
- 3. 目標達成の喜びを知る 1曲弾けるまでのプロセスが成功体験になる
- 4. 創造力・表現力が育つ 同じ曲でも弾き方で印象が変わる
- 5. 人前で堂々と振る舞えるようになる 発表会という「舞台経験」の価値
- 6. 学校以外の「居場所」ができる 先生との信頼関係、仲間との交流
- 7. 一生楽しめる「趣味」と、広がる音楽の可能性 大人になってから再開する人が多い
- でも、過度な期待は禁物です
- まとめ:音楽以外の力も育つ。でも一番大事なのは「子どもが楽しめるか」
- 参考文献・出典
ピアノで身につくのは「ピアノが弾ける力」だけじゃない
音楽教室で働いていた頃、保護者の方々からよく言われたのが「ピアノを習わせたら、なんか変わった気がする」という言葉でした。
「前より集中力がついた気がする」「学校の成績が上がった」「人前で話すのが得意になった」
こういった変化は、実は偶然じゃないんです。ピアノの練習を通じて、音楽以外のさまざまな能力が自然と鍛えられているんですよね。
これから紹介する7つの効果は、科学的な研究データに裏付けられたものもあれば、私が実際に教室で目の当たりにしてきた変化もあります。ピアノを習わせるかどうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
1. 集中力が飛躍的に向上する ピアノ練習は最高の「集中力トレーニング」

ピアノを弾くって、実はものすごく複雑な作業なんです。楽譜を読みながら、右手と左手で違う動きをして、音をしっかり聴いて…。これ、脳がフル回転してる状態なんですよね。
アメリカのSteinway & Sonsの研究によると、楽器を演奏している最中の脳は「打ち上げ花火」のように反応するそうです。視覚野、聴覚野、運動野など、ほぼすべての脳の領域が同時に活性化される唯一の活動なんだとか。
幼児の集中力は「年齢+1分」と言われています。3歳なら約4分、4歳なら5分程度。でもピアノのレッスン時間は20〜30分。最初は難しくても、練習を続けるうちに確実に集中力が伸びていくんです。
実際に見た変化
教室に通ってた小1の男の子のことを思い出します。最初は5分も座ってられなかったんです。鍵盤をバンバン叩いたり、部屋をウロウロしたり。
でも1年かけて少しずつ変わってきて、30分集中して練習できるようになりました。お母さんから「学校の授業も最後まで聞けるようになった」って報告があったとき、担任の先生もびっくりしてたそうです。
ピアノで鍛えた集中力は、勉強にもスポーツにも、あらゆる場面で活きてくるんですよね。
2. 数学が得意になる子が多い 東大生の約半数がピアノ経験者という事実
これ、知ってました?東大家庭教師友の会が100人の東大生にアンケートを取った結果、なんと47人がピアノを習っていたそうです。一般的にピアノを習っている小学生は4人に1人(約25%)なのに、東大生は2人に1人。
しかも東大生は男性が8割を占める集団なのに、この数字。一般的に「ピアノは女の子の習い事」というイメージがあることを考えると、この差は相当大きいんです。
音楽系全体で見ると、東大生の6割以上が何らかの楽器を習っていたという結果も出ています。
リズム感=数学的思考力
「4分の4拍子」「8分音符」「3連符」…ピアノをやっていると、分数や比の概念を自然に理解するんですよね。
Steinway & Sonsの研究では、ピアノの演奏は数学、自然科学、工学に大きく関係する「時空間認識能力」を高めることが明らかになっています。楽譜を読むことは、音符のパターンを認識して処理する作業。これって、数学の問題を解くときの思考プロセスと似てるんです。
算数が得意になった理由
ある保護者の方から聞いた話なんですけど、小4で分数が出てきたとき、ピアノをやってる子は「あ、これリズムと同じだ」ってすぐ理解したそうです。
「4分の1と8分の1、どっちが大きい?」って問題も、「4分音符と8分音符だったら4分音符の方が長い」って感覚で分かるんですよね。
もちろん、ピアノをやったら必ず数学が得意になるわけじゃないです。でも、音楽を通じて論理的思考力やパターン認識力が鍛えられることは、確実にあると思います。
3. 目標達成の喜びを知る 1曲弾けるまでのプロセスが成功体験になる
ピアノって、いきなり弾けるようにはならないんですよね。最初は片手ずつ練習して、両手で合わせて、テンポをゆっくりから徐々に上げて…。地道な練習の積み重ねで、やっと1曲完成する。
この「努力したら結果が出る」という体験が、子どもにとってものすごく大きいんです。
東京大学新聞社が東大生を対象に行った調査では、小学生時代の習い事がどれだけ東大合格に役立ったかを聞いています。ピアノは非学習系の習い事の中で、習字に次いで2番目に高い貢献度でした。
東大生自身が「ピアノで学んだことが受験に役立った」と答えているんですよね。
発表会での達成感
発表会で「エリーゼのために」を弾いた小5の女の子のことが忘れられません。3か月かけて練習して、本番で完璧に弾けたとき、泣きながら「できた!」って。
その達成感が自信になって、その後の中学受験も「ピアノで頑張れたから大丈夫」って乗り越えたそうです。親御さんから「ピアノをやっていてよかった」って言われたとき、私も嬉しかったですね。
小さな成功体験の積み重ねが、子どもの「自分はやればできる」という自己肯定感を育てるんです。
4. 創造力・表現力が育つ 同じ曲でも弾き方で印象が変わる
ピアノって、楽譜通りに弾くだけじゃないんですよね。「ここは優しく」「ここは力強く」って、自分なりに考えて表現する。
脳科学者の澤口俊之先生の研究では、ピアノを習うことでHQ(人間性知能)が向上することが証明されています。HQっていうのは、「人間らしい人生を送るための脳力」のことで、創造性や社会性、問題解決能力などが含まれます。
学習塾、英会話、習字、スポーツ系など、ほとんどの習い事ではHQはほぼ変わらないそうなんですが、ピアノだけ突出して高いという結果が出てるんです。
自分なりの音楽を作る楽しさ
ある生徒さんは「雨の日みたいに弾きたい」って言って、タッチを工夫してました。その発想力、大人でもなかなか出てこないですよね。
楽譜通りじゃなく、「自分だったらこう弾く」って考えることで、創造力がぐんと伸びるんです。即興で遊んだり、簡単なアレンジを楽しんだりする子もいて、それがまた面白いんですよ。
作曲家が込めた思いや景色を想像しながら弾くことで、感性も豊かになります。同じ曲でも、悲しいときと楽しいときで音色が変わる。それがピアノの面白さであり、表現力が育つポイントなんですよね。
5. 人前で堂々と振る舞えるようになる 発表会という「舞台経験」の価値

発表会って、子どもにとって極限の緊張状態なんです。何百人もの視線を浴びて、一人でステージに立つ。失敗したらどうしようって不安と戦いながら演奏する。
でも、この経験がものすごく貴重なんですよね。
大人になって、プレゼンや面接で人前に立つとき。学生時代に発表会を経験してきた子は、度胸が違います。「あのステージに比べたら大したことない」って思えるんです。
人見知りだった子の変化
とても人見知りだった小2の男の子がいたんです。初めての発表会は手が震えてて、本番前に泣きそうになってました。
でも2回目、3回目と経験するうちに堂々としてきて。中学の生徒会選挙で演説したとき、「ピアノの発表会より緊張しなかった」って笑ってたんですよね。
人前で何かを発表する力、これって社会に出てからめちゃくちゃ大事じゃないですか。ピアノの発表会は、そういうプレゼン力や度胸を鍛える最高の場なんです。
6. 学校以外の「居場所」ができる 先生との信頼関係、仲間との交流
学校だけが子どもの世界じゃないんですよね。ピアノ教室って、もう一つの居場所になるんです。
先生は褒めてくれるし、できたことを一緒に喜んでくれる。学校では目立たない子でも、ピアノ教室では輝ける。同じ教室に通う仲間との交流も、良い刺激になります。
心の支えになったピアノ
不登校気味だった子が、ピアノ教室だけは休まず来てたことがありました。「先生が褒めてくれる」「ここでは自分らしくいられる」って。
自信を失ってたその子が、ピアノを通じて少しずつ自己肯定感を取り戻して、中3になってから「通信制の高校に行きたい」って自分から言い出したんです。親御さん、めちゃくちゃ喜んでました。
ピアノが全てを解決するわけじゃないです。でも、学校以外に安心できる場所があるって、子どもにとって本当に大きいんですよね。
7. 一生楽しめる「趣味」と、広がる音楽の可能性 大人になってから再開する人が多い
「子どもの頃習っててよかった」って言う大人、本当に多いんです。仕事で疲れたときに、ピアノを弾いてリフレッシュするとか。ストレス発散にもなるし、自己表現の手段にもなる。
一度身につけた技術って、何年ブランクがあってもすぐ戻ってくるんですよね。楽譜が読めるし、指の感覚も覚えてる。
他の楽器への広がり
でもそれだけじゃなくて、中学でバンド組むときにキーボード担当になったり、高校の軽音部で活躍したり。「ピアノで楽譜読めたから助かった」「絶対音感あるから耳コピできる」って、音楽の活躍の舞台がめちゃくちゃ広がるんですよね。
うちの生徒でも、文化祭でキーボード弾いてヒーローになった子とかいましたよ。ギターやウクレレを始めたときも、ピアノの基礎があると圧倒的に有利なんです。
ピアノを習うことで得られる力は、音楽だけに留まらない。それが一生の財産になるんですよね。
でも、過度な期待は禁物です
ここまで7つの効果をお伝えしてきましたが、正直に言いますね。全ての子に同じように効果が出るわけじゃないです。
子どもによって、得意なこともペースも全然違います。ピアノを習ったからって必ず東大に入れるわけじゃないし、数学が得意になるわけでもない。
「頭が良くなるから」「将来のために」って理由だけでピアノを習わせるのは、ちょっと違うかなって思います。それって本末転倒なんですよね。
一番大事なのは「楽しく続けること」
効果を期待しすぎると、子どもにプレッシャーをかけちゃう。「なんで集中力上がらないの?」「もっと真面目に練習しなさい」って言いたくなっちゃうかもしれません。
でも、嫌々やらされるピアノに効果なんてないんです。脳科学的にも、楽しんでやる方が圧倒的に効果が高いって証明されてます。
データはあくまで「傾向」です。「ピアノを習ってる子にこういう傾向がある」ってだけで、効果を保証するものじゃない。そこは冷静に見た方がいいですね。
まとめ:音楽以外の力も育つ。でも一番大事なのは「子どもが楽しめるか」

ここまで、ピアノを習うことで得られる7つの効果をお伝えしてきました。
- 集中力が飛躍的に向上する
- 数学が得意になる子が多い
- 目標達成の喜びを知る
- 創造力・表現力が育つ
- 人前で堂々と振る舞えるようになる
- 学校以外の「居場所」ができる
- 一生楽しめる「趣味」と、広がる音楽の可能性
どれも科学的な裏付けがあったり、私が実際に目の当たりにしてきた変化です。ピアノには、音楽を楽しむ以外にもたくさんのメリットがあるんですよね。
でも、繰り返しになりますが、一番大事なのは子どもが笑顔で続けられるかどうかです。
「ピアノ楽しい!」「もっと弾きたい!」って思えるなら、効果は後からついてきます。逆に嫌々やってたら、どんなに素晴らしい効果があっても意味がない。
もしピアノを習わせるか迷ってるなら、まずは体験レッスンに行ってみてください。子どもの反応を見て、「楽しそうだな」って思えたら、それがスタートのサインです。
ピアノは、子どもの人生を豊かにする素晴らしい習い事だと、私は心から思っています。
参考文献・出典
- 東洋経済オンライン「東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由」
https://toyokeizai.net/articles/-/161721 - PTNAピアノホームページ「今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から~澤口俊之先生インタビュー」
https://www.piano.or.jp/report/04ess/livereport/2015/07/29_20010.html - Steinway & Sons「The Benefits of Playing Piano」
https://www.steinway.co.jp/news/features/the-benefits-of-playing-piano - flowkey「ピアノを弾くと脳が活性化する5つの理由」
https://www.flowkey.com/ja/why-playing-piano-brain-booster - HugKum「東大生が子ども時代にやっていた3大習い事は水泳、ピアノ、英語!」
https://hugkum.sho.jp/481599