「ヤマハ音楽教室を辞めて、よかったのかな」
そう自問したことのある保護者は、きっと少なくないと思います。子どもの習い事を辞めるとき、あとから「あのままにしておけばよかった」と感じることもあれば、「早く辞めてあげればよかった」と気づくこともある。どちらに転んでも、なんとなくすっきりしないのが正直なところではないでしょうか。
ヤマハ音楽教室は、国内最大手の音楽教室として長年子どもたちの習い事に選ばれてきました。その分、辞めた後の声もネット上に積み重なっています。今回はその声を集め、辞めてよかったと感じた理由と、後悔したという声の両方を整理してみました。
「ヤマハ音楽教室を辞めた理由、実は親と子で違っていた」

ヤマハ音楽教室を辞めた理由を聞くと、最初に出てくるのは「子どもが嫌がった」「ついていけなかった」という言葉です。ところがネット上の保護者の声を読み込んでいくと、少し違う実態が見えてきます。
「子どもに何回聞いても『楽しい、ピアノ好き』と言っていた。それでも私が限界でした」
こんな声が思いのほか多くあります。辞めたのは子どもではなく、親の側が先に疲れていたというケースです。
ヤマハ音楽教室の幼児科は、保護者がレッスンに付き添うことが基本です。毎週のレッスンへの同行、家での練習のフォロー、発表会の準備。音楽の知識がない保護者にとって、それは想像以上の負担になることがあります。「子どもが泣きながら練習していて、私も一緒になって怒鳴ってしまった。そのうち、私が行くのが嫌になっていた」という声も一度や二度ではありません。
辞める決断をした主体が、実は子どもよりも親だったというケースは、特に幼児科の保護者に多く見られます。このことは、ヤマハ音楽教室を辞めた理由を考えるときにまず知っておいてほしいことのひとつです。
「辞めてよかったと感じた保護者が挙げること」
ヤマハ音楽教室を辞めてよかった、と感じた保護者が口にする理由には、いくつかの共通点があります。
まず多いのが、先生との相性に関する話です。「幼児科2年間で先生が合わないと感じていたけれど、グループレッスンの都合上、先生を変えることができなかった。個人ピアノ教室に移ったら先生がよくて、子どもがのびのびするようになった」という声があります。
ヤマハ音楽教室では、担当の先生を保護者が自由に選ぶことはできません。相性が合わないと感じても、同じグループレッスンのクラスに居続ける必要があります。個人ピアノ教室であれば、体験レッスンで先生を確認してから入会できるため、この点は大きな違いとして挙げられます。
次によく出てくるのが、グループレッスンのペースが合わなかったという声です。ヤマハ音楽教室の幼児科はグループで同じカリキュラムを進んでいく仕組みです。進むのが早い子も、ゆっくり覚える子も、同じペースで授業が進みます。「うちの子は少しゆっくりめで、ついていくのが精一杯だった。個人レッスンに変えてからは、子どものペースで進んでもらえるのが合っていた」という声はよく聞かれます。
月謝と施設費(教室によっては管理費とも呼ばれます)の負担を辞めた理由に挙げる声もあります。ヤマハ音楽教室の月謝は幼児科で7,150円(税込)ですが、これとは別に施設費が毎月上乗せされます。施設費は教室によって異なり、数百円から3,000円台まで幅があります。合算すると月々8,000〜10,000円以上になるケースも少なくなく、「入会前のパンフレットには施設費の記載がなく、実際の引き落とし額を見て驚いた」という声が複数確認できます。さらに半年ごとの教材費、発表会費用も別途かかるため、年間トータルの出費が想定を大きく上回ることがあります。
振替制度がない点も、辞めた理由として挙がることがあります。ヤマハ音楽教室では体調不良や学校行事で休んだとき、原則として振替ができません。1回のレッスンあたり約2,000〜3,000円相当が消えることへのもやもやが、積み重なっていったという声は少なくありません。
「辞めて惜しかったという声も出てきた」
一方で、辞めてから「あの部分はよかったかもしれない」と気づいたという声もあります。
その筆頭に挙がるのが、ヤマハ音楽教室独自のカリキュラムの質に関する話です。ヤマハ音楽教室の幼児科は、耳を使って音楽を覚えることを重視しています。専用アプリやCDで音源を繰り返し聴き込み、歌い、それから弾くという順番で進めるやり方は、楽譜を読む前に音感を育てることを目的としています。「辞めてから個人ピアノ教室に移ったら、楽譜を読むことばかりになった。ヤマハ音楽教室で育てていた耳の力の話を先生にされて、あのカリキュラムの意味がようやくわかった」という声があります。
ヤマハ音楽教室のメソッドには約70年の研究開発の蓄積があります。子どもが楽しめる設計と、音感を体で覚えさせる順番は、個人ピアノ教室では再現しにくい部分でもあります。辞めてから初めて、その価値に気づいたという声は一定数存在します。
グループの人間関係がなくなったことへの惜しさも、子どもに見られた変化として語られます。ヤマハ音楽教室の幼児科は同じメンバーで2年間通うことが多く、その間に生まれる仲間関係は子どもにとって居心地のいい場所になっていることがあります。「辞めてから、一緒に通っていたお友達のことをよく話すようになった。レッスン自体よりも、お友達が好きだったのかもしれない」という声は、親として少しせつなくなる話です。
引っ越しの多い家庭では、ヤマハ音楽教室のネットワークを失う不便さを後から実感するケースもあります。ヤマハ音楽教室は全国共通のカリキュラムを使っているため、転居先でも同じ教材・同じ進度で続けることができます。個人ピアノ教室ではこの融通が利かないため、「転勤が決まったとき、また一から探すのが大変だった」という声があります。
「子どもの気持ちと親の気持ちが、ずれていたケース」
ヤマハ音楽教室を辞めた後に保護者がいちばん引きずるのは、意外にもこの部分かもしれません。
「毎回のレッスン前に泣いていた。それで辞めさせたのに、しばらくしたら『またヤマハ音楽教室に行きたい』と言い出した」
「先生のことが嫌いなのかと思って辞めさせたけれど、よく聞いたら友達と離れるのが嫌だっただけだった」
子どもの「嫌だ」という言葉が、何を指しているのかを丁寧に聞けていたか。ヤマハ音楽教室そのものが嫌なのか、先生が合わないのか、練習が辛いのか、グループのペースがきついのか。それぞれ対処が違うにもかかわらず、まとめて「辞めたい」という言葉に結びついてしまうことがあります。
辞めさせた後で「もう少し聞いてあげればよかった」と感じた保護者の声は、習い事全般に共通するものですが、ヤマハ音楽教室では特にグループレッスンという仕組みがあるため、「先生だけが問題ならコース変更もあった」「友達がいるなら別のコースで続ける方法もあった」という選択肢を知らないまま辞めてしまったケースがあるようです。
「辞める前に確認しておけばよかったと感じた声が示すもの」

ヤマハ音楽教室を辞めてから後悔した保護者の声の多くに共通しているのは、「辞める以外の選択肢を知らなかった」という点です。
ヤマハ音楽教室では、担当の先生を変える相談を特約店(楽器店)の窓口にすることができる場合があります。コース変更や個人レッスンのオプションが用意されているケースもあります。「辞める前に一度窓口に相談してみる」という選択肢が、意外と見落とされがちなようです。
また、施設費(管理費)・振替なしの月謝制度・グループレッスンのペースに関する点は、入会前の体験レッスンや説明会の段階で確認できる情報でもあります。パンフレットに記載のない費用については、あらかじめ窓口に直接確認しておくことで、入会後のすれ違いを減らせるという声もあります。
「辞めてよかった」と感じるか、「惜しかった」と感じるかは、子どもの性格やペース、先生との相性、家庭の状況によって変わります。ヤマハ音楽教室を辞めた保護者たちの声に共通しているのは、「辞める前にもう一度だけ確認する余裕があれば」という気持ちかもしれません。
習い事はいつでも辞めることができます。ただ、辞める前に「何が問題なのか」を子どもと一緒に言葉にしてみることが、後悔を少なくする一歩になりそうです。
出典
- ヤマハ音楽教室公式サイト(コース情報・カリキュラム概要・料金案内)
- ONFAN.「ヤマハ音楽教室が教室減でも生き残れる3つの理由」
- ネット上の保護者の声(育児ブログ・Yahoo!知恵袋・note等)を複数参照・集約