子供が習っている人気の習い事は「公文」「幼児教室」「スイミング」「ピアノ教室」「英語教室」「バレエ」「ダンス」などと様々ありますが、これらの習い事が子供に何を成長させ大人になってどう影響するのか?
実は、深く掘り下げていくとピアノ教室や音楽教室は他の習い事には無い、大人になってから役立つ能力や考え方などを育てることができるのです。
英語教室は英語の力が身についたり、水泳やダンスは泳げる、踊れるの他に体を鍛える事ができますから、勉強や日々の生活に役立ちそうな習い事ですよね。だけどピアノ教室はピアノが弾けるようになるだけだと、他の習い事に比べてメリットが少ない気がするんですが。
子供をどの習い事に通わせようか悩む親にとっては、確かに勉強や体力に直結する習い事のほうが目に見えて結果が出るから選ばれやすいよね。実は音楽教室で生徒募集をするときの一番の悩みはそこにあるんだよね。
他の習い事に比べて選ばれにくということでしょうか?確かに学校の勉強に直結した習い事のほうが選ばれやすいですよね。
ただ、ピアノ教室や音楽教室には楽器を弾けるようになるということ以上に、大人になってから必要になる能力を沢山学ぶことができるんだけど、なかなか知られる機会が無いんだよね。今回は音楽が子供に与える凄い力について解説してみよう。
有名私立学校や塾の先生が驚くピアノを習ってきた子どもたちの能力
昔は中学受験や高校受験に向けて難関な学校を目指せば目指すほど「習い事は控えてください」と学校や塾の先生から言われるのが多かったのですが、最近は「ピアノだけは習い続けてください」という塾や学校の先生が増えてきているようです。
何故かというと、ピアノを習っている子供は他の子供達に比べると、勉強の結果や成績の伸びが頭一つ抜けていることが多く、特に点数を取るためには解くことが必要不可欠とされる難問でも、柔軟な発想で解答に導く子供が多く、計算力がある子どもや記憶力がいい子供たちの頭の良さとは違った、「地頭の良さ」があるからです。
計算力や記憶力などの能力は、ある程度、訓練すると身につく能力なのですが、自分の計算や記憶だけに頼りがちになってしまい、難問にあたってしまうと自分だけの考え方から抜け出せなくなり、点数が取れなくなってしまうそうです。しかし、そこに「柔軟な考え」や「自由な発想を生み出す」地頭の良さがある子どもは、壁にあたっても次々と違う方法を作り出し難問を解いていきます。
その能力がピアノ教室や音楽教室を習っていた子どもたちには身についていることが多いと言われているのですが、なぜピアノや音楽にはそういった能力を伸ばす力があるのでしょう。
7歳までしか成長しない脳の特殊な部分は音楽が伸ばす
人間の大脳は真ん中に溝があり、右と左に分かれています。この左右の脳の働きは全く異なり、左の脳は主に計算力や言語力などの論理的な思考をおこない、右の脳は発想力や空間認識力などの感覚や直感的な思考をおこないます。
計算力のある人は左脳が発達した「頭のいい人」。自由な発想ができる人は右脳が発達した「勘のいい人」。
この両方がバランスよく発達して使いこなせる人が頭も勘もいい「地頭がいい人」ということになります。
しかし、両方の脳をバランスよく成長させることは非常に難しく、なぜなら発想力を司る右脳は4~5歳の幼児期に成長のピークを迎え、7歳くらいでほとんど成長がストップしてしまいます。つまり、幼児期になんらかの方法で右脳を伸ばしてあげないとならないのですが、その方法として代表的なのが「音楽」「絵を描く」「自然の中で遊ぶ」の3つと言われています。
右脳の成長に必要な「自由な創造」は音楽教室やピアノ教室が一番
右脳の役割は「自由な発想」で、別名「芸術脳」とも呼ばれており、成長させるには同じく自由な発想ができる環境に身を置く必要があります。自由な発想と言っても大まかすぎて分かりにくいと思うので、「自由に考えて作れる環境」と言ったほうが良いのかもしれません。
例えば自然の中で遊ぶことは、枝や石などを使い、自分の自由な考えで色々なものを作り、絶えず移り変わる雲の形を見て色々な物を想像し、虫や風の動きを観察して自然の中のドラマを自由に作り出すことができます。
同様に絵を描くということも、自由な想像力で好きなものを描いて発想力を磨いていくことができます。
そして音楽は無限にある音の組み合わせから楽しい音、悲しい音、激しい音などの表現を知ることができ、そこから自由な発想で歌ったり踊ったり演奏したりといった自己表現をすることができます。
ただ、ここで重要なことは、自由な発想を強制してはいけないということです。例えば公文や水泳、ダンスなどは、決められたテキストや方法、ルールの中で大人が介入して上達していく習い事ですので、右脳ではなく左脳を伸ばす習い事という事になります。
しかしながらピアノ教室や音楽教室は、幼児期からでも弾くことができる鍵盤楽器を使って、子どもたちの自由な想像力の中で演奏していきます。確かに楽譜というルールはありますが、幼児期では必要最低限のルールで、むしろ同じ曲でも子供によって千差万別。自分が感じた曲の感情を自分が考え出したやり方で表現していきます。
そして、音楽が与える子供への成長は、大人になってからも大切な能力に変貌を遂げます。
音楽教室は大人になってからの「自由に幸せになる力」を与えてくれる
右脳がもたらす自由な発想力は、大きくなってから「自主性」や「自立心」に繋がっていきます。
子供の頃に沢山の発想を見つけ出した経験というのは、大人になってからも人生や仕事、他人とのコミュニケーションで自由に発想できる力を与えてくれますから、自分の力で生きる「自主性」や「自立心」を大きく伸ばしてくれます。
そして、自主性を持っている人というのは、幸せになりたいと思い自分から行動することができます。
人間は計算ができたり、記憶力が良かったり、体力があったりといったことだけでは幸せになることはできません。自由な発想力と行動力。他を思いやるコミュニケーション力などがあるからこそ、人は幸せになることができます。
そして何より、ピアノ教室や音楽教室は現代社会の人間関係・家庭環境・ルールに縛られたストレスから逃れ、自由に自分の才能を伸ばすことができる「居場所」でもあります。ピアノ教室や音楽教室を通じて作り上げた自分の居場所「自分の世界」を持つということは自分にとって大きな自信となります。
大きな自信を持つ人は、人生で難しい局面にぶつかっても、楽しく前向きに乗り越えて幸せを掴み取れる大人になることができるのです。