誰も教えてくれなかったピアノ教室・音楽教室ホントの話

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今の時代に選ばれるピアノの先生の条件。生徒保護者の本音から

今の時代に選ばれるピアノの先生の条件。保護者の本音から-ONFAN

「ピアノの先生を変えてよかった」という声を、保護者の方からよく聞きます。

でも不思議なことに、変える前はなかなかそこまで踏み切れない。「この先生で大丈夫かな」という引っかかりを感じながらも、なんとなく続けてしまう。そして変えた後になってはじめて、「あ、前の先生のあれはサインだったんだ」と気づく、という経験をされた方が少なくないんです。

選ばれ続けるピアノの先生には、技術指導の上手さとは別の何かがあるようです。今回は、保護者の声と業界で見聞きしてきたことをもとに、その「何か」を整理してみたいと思います。


ピアノの先生を変えた保護者が後から気づいていた3つのサイン

ピアノ教室を変えた経験のある保護者の方に話を聞くと、「変える前からサインはあった」という声が共通して出てきます。当時はそれをサインと認識できなかった、という方がほとんどですが、振り返ると3つの変化が重なっていたというケースが多いようです。

ひとつは、ピアノ教室から帰ってきた後の子どもの様子の変化です。以前は帰宅してすぐピアノに向かっていたのに、いつのまにかレッスンとレッスンの間にほとんど触らなくなっていた、というものです。練習不足といえばそれまでですが、「弾きたい気持ち」が消えていくサインだったと後から気づくことが多いといいます。

もうひとつは、子どもが先生の話をしなくなること。レッスンから帰ってきても「今日こんなこと言われた」「先生がこんな曲を教えてくれた」という話が出てこなくなった時期があった、という声はよく聞きます。子どもにとってピアノの先生が「怖い存在」や「どうでもいい存在」になってしまうと、こういう変化が起きやすいようです。

3つ目は、発表会や新しい曲への反応の変化です。以前は「次はこの曲弾きたい」と言っていた子が、発表会の話をしても乗り気でなくなった、ということがあるそうです。ピアノそのものが嫌いになったのか、それとも今のピアノ教室との相性の問題なのか、なかなか見分けがつかないのですが、結果的に教室を変えてみたら元気を取り戻した、というパターンはよくある話です。


ピアノ教室から帰ってすぐ弾きたくなる。それが最高の口コミ

ピアノ教室から帰ってすぐ弾きたくなる。それが最高の口コミ

複数のピアノ講師が共通して語っていたことがあります。「ピアノ教室から帰ってすぐ弾きたくなる、というのが良いレッスンの証だ」というものです。

これ、保護者の口コミでも同じ言葉が出てくるんです。「先生を変えてから、帰ってすぐピアノの前に座るようになった」という声は、ピアノ教室の評判を調べるとよく目にします。技術がどれだけ上達したかより先に、そういう変化を喜んでいる保護者の方が多いんですよね。

逆に言えば、「うちの子、なぜか帰ってすぐ練習しないんだろう」という疑問は、ピアノの先生との相性を見直すひとつのきっかけになる可能性があると言えそうです。

保護者が求めているものは、スパルタ指導でもなく、お世辞の褒め言葉でもなく、「子どもがピアノを好きでいられる環境」なんだということが、こういう声からよくわかります。上達よりも、続けられること。そこを大事にしてくれるピアノの先生は、口コミでも自然に評判が広がっていく傾向があるようです。


厳しさか優しさかより、今のピアノの先生に求められるもの

「ピアノの先生は厳しい方がいい」「いや、子どもには優しい先生がいい」という話は、保護者の間で今も根強くあります。でも実際に保護者の声を聞いていると、この二択自体がすでに時代遅れになってきているな、と感じることがあります。

今の時代に選ばれるピアノの先生に共通しているのは、「子どもひとりひとりの目標や個性に合わせて関わり方を変えられる柔軟さ」という声をよく聞きます。コンクールを目指している子には技術的な厳しさが必要だし、ピアノを楽しみたいだけの子に発表会の練習を強要しても続かない。同じ教室に通っている子どもでも、目指すものが違えば関わり方も違って当然、ということです。

また、音大卒かどうかを先生選びの基準にされる保護者の方は多いですが、「音大卒の先生に習っても合わなかった」という声と、「音大卒じゃない先生だけど、子どもが一番伸びた」という声は同じくらいあります。資格や学歴よりも、「この先生はうちの子のことをちゃんと見ていてくれているか」という感覚の方が、継続につながる要素として大きいようです。


ピアノの先生が求める生徒と、保護者が求める先生。そのズレについて

ここで少し視点を変えてみます。InouAyuさんがまとめた「ピアノ講師が正直に明かす『通い続けてほしい生徒』の共通点」では、ピアノの先生側が「通い続けてほしい生徒」に共通して感じていることが整理されていました。素直さ、練習してきた痕跡、向き合う姿勢、といったものです。

一方で、保護者の声を聞いていると、求めているものはそれとは少しズレているように感じます。

面白いのは、ピアノ教室のホームページには「ピアノが好きになる」「音楽がもっと好きになる」というキャッチフレーズがよく並んでいることです。先生も保護者も、その言葉を見て「ここは目指しているものが同じだ」と思う。でも、「ピアノが好き」という言葉の中身が、先生と保護者でかなり違っていることがあるんです。

先生側が考える「ピアノが好き」には、素直に練習して真摯にレッスンに向き合うことが前提として入っていることが多いようです。練習への姿勢や向上心があってこそ、ピアノを本当に好きになれる、という考え方です。

でも保護者が「ピアノが好き」に感じるのは、もう少し違うイメージのことが多い。子どもが教室から帰ってきたときの表情が明るいこと、レッスン中に楽しそうにしていること、褒められて嬉しそうに帰ってくること。そういった今この瞬間の感情の話です。

つまり、「ピアノが好き」という同じ言葉を使いながら、先生は「姿勢と努力の先にある好き」を、保護者は「今ここにある楽しさや喜び」を思い描いている。このズレが見えにくい理由は、どちらも「ピアノが好きになってほしい」という気持ちは本物だからです。

ただ、先生が「好きになるためには練習が必要」として厳しく向き合うことが、保護者の目には「子どものやる気を削いでいる」と映ることがある。ホームページで掲げた「ピアノが好きになる」という言葉が、入口では一致していても、レッスンが進むにつれてお互いの前提のズレが浮かび上がってくる。そういうすれ違いがピアノ教室を変えるきっかけになっているケースは、少なくないようです。


選ばれ続けるピアノの先生と、生徒が離れていく先生の違い

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ここまで見てきたことを整理してみます。

保護者が「通い続けたい」と感じるピアノの先生には、技術の高さとは別の共通点がありそうです。子どもが「また行きたい」と言うかどうか。帰ってきた後の顔が明るいかどうか。先生の話を自分から口にするかどうか。こういった子どもの反応が、保護者にとって「この先生でよかった」という判断の材料になっていることが多いようです。

逆に、生徒が離れていくピアノ教室によく見られるのは、「先生のやりたいレッスン」と「生徒が求めているもの」のズレが解消されないまま続いてしまうケースです。先生側に悪意があるわけではなく、お互いの前提がすれ違っているだけということが多い。でもそのすれ違いに気づくタイミングが遅れるほど、子どものピアノへの気持ちが少しずつ薄れていくことがあります。

選ばれ続けるピアノの先生がしていることは、特別に難しいことではないのかもしれません。子どもをよく見ること、保護者と少し話すこと、「この子は今どこに向かいたいのか」を意識し続けること。そういった日々の積み重ねが、口コミで評判が広がるピアノ教室と、なんとなく生徒が減っていく教室の、見えにくい差になっているように感じます。

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音葉

音葉

音楽教室ウォッチャー

音楽教室業界に関わって10年以上。楽器店での販売・教室運営サポートを経験し、現在はフリーライターとして活動中。 業界の内側を知っているからこそ書ける「誰も教えてくれなかった話」をモットーに、保護者が本当に知りたい情報、先生が言いにくい本音を発信しています。 自身も4歳からピアノを習い、今は小学生の子どもを音楽教室に通わせる"現役の保護者"。親として感じる疑問や不安も、記事に反映させています。 好きな作曲家はドビュッシー。子どもの発表会では毎回キャパ超えで号泣する、ごく普通の音楽好きな親です。

  1. ヤマハ音楽教室を辞めた保護者のリアルな声 後悔とよかったこと

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